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水処理問題C

廃水処理 メッキ工場における工程廃水浄化プラント

廃水処理写真

相談者:メッキ工場
場 所:三重県内
原因者:―
被害者:―


1.相談内容


 メッキ工場のオーナーから、高濃度フッ素含有工程廃水の浄化についての設備プラントの検討を依頼された。工場では高濃度のフッ素が含有されている工程水を循環して使用しているが、工程水の劣化により1週間に1回の頻度で全工程水を廃水槽に移し変えて産廃処理業者に処理してもらっている。
 処分費が高いため、経費削減が可能なフッ素浄化プラントを導入したいとのこと。


2.状況

 当工場では、フッ素濃度4万mg/Lの工程水を使用している。排水時にはフッ素濃度の低い他の放流水も加わるため、排水処理設備能力としては50mg/L程度に濃度を低下出来れば、排水基準8mg/L以内の放流水質とすることが可能だと思われる。工程水は1週間で交換しているため、1週間以内に全工程水800Lをフッ素濃度を50mg/Lへ低下させれる必要がある。


3.適応法令 

 水質汚濁防止法:公共用水域と地下水の水質を保全するため、工場や事業場などから出る排水の水質を規制する法律で、1970年(昭和45年)に制定された。排水の水質は排水基準として定められており、「生活環境項目等」と「有害物質」の2種類があり、40項目にわたって全国一律の排水基準が定められている。フッ素濃度については8mg/Lとされている。


4.問題解決への道

 排水処理設備を設置するスペースは工場内にはなく、いままで産廃業者が引き取りに来るまでドラム缶にて保管していた廃水仮置き場のドラム缶4本分が設置予定スペースとなる。スペースが少ないことから、同じ水槽を水処理の進み具合によって異なった役割に使用するバッチ式での検討を始めた。
 
 排水処理設備の設計条件は4万mg/Lのフッ素濃度の廃水800Lを1週間以内に50mg/L前後に低下させることとなる。実際の工程水を用いて実証実験を行った結果、4万mg/Lのフッ素は凝集沈殿によりPACや高分子剤の添加量を上げることで40〜50mg/Lに低下させることが出来た。

 設置スペースが狭いことから、1m3の水槽に処理前の工程水を満たしたあとにpH調整、薬剤投入後に析出させたフッ素化合物を沈殿させる。反応が終了した後に全量を水槽上部に設置するフィルタープレスに打ち込み、近接して設置する放流槽では、pH調整を行い急激に濃度が上昇しないように工場全体の放流槽へ時間をかけて圧送する設計とした。

 設計した排水処理設備のフッ素の除去率は99.8%で処理水濃度は40〜50mg/Lとなり、合流する他の放流水で50倍程度に希釈されるため放流時には排水基準8mg/Lを満たした放流水となる。

 フィルタープレスより出る濃縮汚泥は引き続き産廃として処理しなければいけないが、工程水をそのまま産廃処理を行った場合と比較して年間処理費は十分の一以下となる。
 設置スペースはドラム缶2本分より若干オーバーしたが、ほぼ範囲に納まり、排水処理設備増設工事費は600万であった。

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