水処理問題A
排水処理 土壌洗浄プラント内に放流水浄化設備の設置
相談者:土壌洗浄プラント
場 所:岐阜県内
原因者:―
被害者:―
1.相談内容
汚泥を受け入れて洗浄し、リサイクルをしている土壌プラントでプラント内の洗浄工程で使用している循環水が、受け入れる汚泥の種類によってはかなり汚濁され、放流基準を超えることが度々あるため困っている。
洗浄工程での循環水はオーバーフロー水だけが放流されるフローになっているが、SS等の水質基準項目において放流基準を超えて、放流が出来ないこともある。プラント内の工程に循環水の水質浄化設備を追加して常時放流が可能になるようにしたい。
2.状況
当プラントでは、様々な汚泥を受け入れており、通常は当プラントに設置してあるシックナー(急速凝集沈殿槽)などでSS分は除去され、放流可能なレベルまで浄化されるが、汚泥の種類によっては凝集がうまくいかず、シックナーで処理されたあとの循環水の汚濁が改善されずSSなどの数値が高いままの場合もある。
3.適応法令
水質汚濁防止法:公共用水域と地下水の水質を保全するため、工場や事業場などから出る排水の水質を規制する法律で、1970年(昭和45年)に制定された。排水の水質は排水基準として定められており、「生活環境項目等」と「有害物質」の2種類があり、40項目にわたって全国一律の排水基準が定められている。
4.問題解決への道
お客様からの要望は洗浄工程内のシックナーで除去できなかったSS分を砂ろ過装置の設置により除去し、循環水を常に汚濁の少ない状態にしておきたいとのことだった。しかし、砂ろ過で処理する水としては、SS分が多すぎることも度々あるため、状況によっては数分で砂ろ過装置が目詰まりし逆洗を掛けなければ使えない状況になることもあると思われる。
弊社からの提案としては循環水を浄化する砂ろ過装置ではなく、オーバーフロー水の放流水のみを浄化する目的で小型の急速凝集沈殿槽を設置し、放流水を常時浄化する方法であった。さらに工場稼動中の昼間は放流水を浄化し、工場停止中の夜間はプラント内の工程水を引き込み、循環水を浄化可能なプラントとすることを提案した。
追加設備の設置スペースは無かったので、放流槽の上部に架台を設置しその上に急速凝集沈殿槽を設置することとした。放流水は最大7m3/hだが、設置したシックナーの処理能力は工場停止時の循環水の浄化能力を考えて少し余裕を持たせた10m3/hとした。工事費は400万円であった。
設置後は放流水が放流基準を超えることはなく、月に何回かは工場停止中の循環浄化も行っており、問題なく稼動している。
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